LOAD OF THE GEEKS :
65年にアメリカ版ペーパーバックが出るや3年で3百万部売上げて若者文化の語りぐさにまでなった「指輪物語」、追従者はフラワーチルドレンかオンザロードの旅人仲間と思われたのが物語の作者J.R.R.トールキンは実はギーク王だった。
原作に奴隷のごとく忠実な3部構成の映画「指輪物語」の第一部「旅の仲間」(監督ピーター・ジャクソン)が12月公開される。もう何ヶ月もトールキン信奉者の大群が映画のゴシップやら論争をウエブサイトに殺到させている。映画が上映される頃には売上げが5千万部を越えている本のどの時代の追従者より超多忙なこの飼い慣らされた世代の追従者は、総じてコンピュータゲームが由来するSF と並びナード族を勇気づける壮大なファンタジーをその本から見いだすギーク族と見られた。
「精神時代の子供やコンピュータプログラマー、ヒッピー、大抵のアメリカ人にうけるほど評論家にはうけない」との英国のある秀才の解釈が子供じみた空想癖とにべもない評価の他にシミュレーションあるいは幻覚と呼ぶ人がいるのを説明する。
僕らが住む世界はますますもってギークによって作られる。今やっと評論家が理解するように子供の遊びやサイケデリック(幻覚剤)がその目的に適う現実の最先端をいじくりまわしたい強い衝動を文学は満たさない。評論家が文化の重大さの中心を精巧なデジタルシミュレーションに置くとき、このシフトを告知したのがギーク王トールキンだったことを誰か想起するかもしれない。
▲参考資料:VILLAGE VOICE june, 2001(TAMA-30、掲載)