学校が吹っ飛ばされた日

どういうわけか論文やジャーナリズムはどこの学校にも標準のこととしてある脅威・いじめ・社会成層がよくわかってないらしい。政治家もリポーターも一度は学校に出かけてみて、そんな社会成層を体験し、脅威の隣人になってみる必要があると思う。  
エリック・ハリスとディラン・クレボールドは偶然、役立つことをした。学校生活の恐ろしい側面について教え、郊外の社会不和について語り、jocksという社会階級の名に触れた(「運動選手は全員立て!殺してやる」と言って発砲した)。
エリック・ハリスの書き残した日記の類が本になるがそれより私は乱射事件以前のコロンバイン高校がどんなだったか、他のリトルトン高校は、チェリークリーク高校はどんなだったか知りたいと思う。

■チェリークリーク高校の上級生ソニア・パイ:
顔を合わせたくないのは気さくな南部人て感じのスポーツ選手。あたしはカウンセラーみたいなもので、噂になってないことをたくさん耳にする。
うちの学校では誰も話さないいろんなタイプの性的虐待がたくさん続いていて、いじめる男は巨体でみんなフットボールをやるんだ。
学校にはプレッピー(Gapでしか買い物しない、いつも決まったカフェテリアでしか食べないトップのグループ)とスケーター(拒絶グループ)がいて、スケーターになるというのには学校なんてどうでもいい、ドラッグはクールって考えが丸ごと付随する。  
マリファナをやるにはキャンパスから出なくちゃいけない、眩惑状態で戻って交差点で衝突するから学校は指定したスモーキングエリアを二カ所作ったんだ。
見張りの警備員がいて、ドラッグを吸うのはほんの数人だけどそこに行くのがクールだった。  
他に異色系統のグループ、nerds(おたく系)band people(絶対に個性的とは見なされてない)ドラマキッズとかがいて、問題のjocksがいる。
連中の親はどいつも気さくな南部人タイプで全員が共和党員でNRA(全米ライフル協会)を支援する。  
カフェテリアを歩くとそこらじゅうで連中の嫌がらせを目にする。
お尻を叩いたり胸をつねったり言葉のプレッシャーと肉体的虐待続きで大勢の女の子が食欲不振に陥ってる。でもそれを声に出せないでいるんだ。
 
トレンチコートを着た連中のことはいつも不思議だった。
なんでトレンチコートなのか?何をいいと思ってるのか?
それを着る子があたしの写真クラスにいて展覧会の声明を書くのにその子だけ断然創造的でみんな「わーお!」だった。ヴィデオで作る作品があってそのときも骸骨や暗闇の写真、コラージュなんかがあってほんと変わっててみんな恐れをなした。でも乱射事件後は着てないと思う。
関係ないのにみんな一緒みたいに見るじゃない。役者やアーティストもトレンチコート人間。人が役者って言うときにはレズビアンを指すんだ。
●参考資料:VILLAGE VOICE May 4,1999
●TAMA 25 掲載、1999 chill