P300 :
脳指紋のおかげで世の中から冤罪がなくなるのもそう遠い日ではない。 脳指紋とはP300 という特殊な脳波のことで情報を認識して脳内に現れるまでの時間300ミリ(0.3) 秒 が名前の由来だ。
今年3月、逮捕直後から一貫して無罪を主張し続けながら殺人罪で20年以上アイオワ州刑務所で服役する黒人テリー・ハリントンの再審審議が行われ、判事は再審は認められないとしながらもこの先の希望と冤罪に苦しむ世界中の服役囚にとり画期的な判断「脳指紋が殺人事件の裁判で証拠となりうる」ことを初めて認めた。
救世主は80年代半ば脳指紋の研究を始めたローレンス・ファーウエル博士。このまま一生刑務所暮らしとあきらめかけてたテリーは自分の無実を科学的に証明して欲しいと彼に助けを求める。P300 は強く印象に残った人物やモノ、事柄に関する情報を見たときにだけ瞬間的に発生して脳の中にしまわれてる特定の記憶を見分ける。だから目撃者の証言が正しければ逃げた現場近くの草むらや現場、拳銃、被害者の写真などにP300 が現れ、テリーの無実が事実ならそこにいたとする野外コンサートに関する情報にP300 は現れる。彼の脳にしまわれていた記憶は野外コンサート。弁護側が追求すると目撃者はあっさり嘘を認めた。
博士はFBI ともCIA とも実験をして間違ったことは一度もなかったと言う。最近は冤罪に苦しむ服役囚ばかりか捜査の参考にしたいと警察関係者の依頼もある。
▲参考資料:AERA 4/16, 2001(TAMA-30、掲載)