HUMAN CLONING :

音楽家坂本龍一から作家宮内勝典に宛てたEメールのSubject 「狂ってる」第一弾はアメリカの月面核実験計画についてだった。
科学ニュースによれば月面で核実験をしようという計画が密かにそして本気で論議されていた。月で核実験を行えば地球の人間がそれを見てアメリカの軍事力のすごさを思い知らされるというのが計画の目的でまさに「狂ってる」
そして今回第2弾が人のクローニングだ。
1/23 英国議会の上院が政府の規制をゆるめる法案を可決して英国は人の胚(妊娠8週までの胎児)のコピーを合法化する最初の国になる。培養して胚盤胞の段階まで育てると神経、筋肉などからだを構成するあらゆる組織の細胞に分化できる万能細胞とも呼ばれるES 細胞が作れる。移植の必要な患者の体細胞からクローン胚を作れば拒絶反応のない移植用組織や細胞ができる可能性があり、やけど、脊髄損傷、パーキンソン病やアルツハイマー病といった退行性の病気の治療に革命を起こせる可能性があった。
でもこの胚を子宮に戻せばクローン人間。
不妊に悩む夫婦を対象にクローン赤ちゃんを誕生させる計画を進めるアメリカとイタリーの専門家チームが3/9 ローマ大学病院で会議を開きクローン人間づくりに着手する表明をした。アメリカ国内で生殖医療の専門家を集めてクローン人間づくりをめざす新興宗教団体ラエリアンの計画など、これは人間「狂ってる」の最たるものではないのか。

▲参考資料:ENVIRONMENT NEWS SERVICE 1/23 日本経済新聞 3/29
WIRED NEWS 1/24, 2001
(TAMA29 掲載 SPRING 2001 )