BRAZIL :

ブラジルは大国とわかっていてもそこに着くまでは実際どれほどのものかはわからない。サンパウロに数時間いれば景観の変化は露骨でブラジル人の贅沢な暮らしとど貧乏な暮らしが明らかになる。どこにでも現れるドラッグに支配されたファベーラ(スラム街)が雨後の竹の子のように増える。100万人以上が家庭を築くへリオポリス貧民街では通りで遊んでる子が凧揚げをする。こんな無邪気に思える遊びもここでは希望のない営みの手がかりだ。この子たちはドラッグを売りさばく地元のディーラーのために働いている。緑は「旅行者がそばにいる」と凧の色で教えていた。高速道路の橋の下にも小さな子供を抱えた大家族が暮らす。ほんの数分行けば田舎の別荘まで金持ちを運ぶヘリコプター離着陸場が間近に迫った。
悪化する地上の交通渋滞のせいでサンパウロの金持ちの間でヘリコプターの個人所有が急速に広まる。下で待ち受けるカージャックや誘拐を避けて「武装したBMW と同額(4千万円)のヘリで空を飛ぼう」が売り文句。市内の上空には常に40機ほどが飛び交う。一方で庶民の足は強盗が出没する不正確なバスかもぐりのミニバン、マナウスの街には走ってるバスに飛び乗り屋根に登って木や電線をよけながらバランスを取る深夜のバスサーファーまでいる。

▲参考資料:i-D april 1999 JAF MATE july 2000 週間アマゾンニュース12/9, 2000 (TAMA29 掲載 SPRING 2001 )
■昨年の映画<オルフェ>が撮影されたのが実際のファベーラでドラッグ絡みの悲劇を描いている。