AR15 :

彼の名前はLM 、年齢は15歳。麻薬取引の兵士だ。昼間は悪夢にうなされ夜はストリートで活動する。ある日母親に説得されて家のそばのコンピュータ技術と市民権の学校に通い出す。1年後自信に満ちた彼が手にする武器は麻薬組織が使うAR15 という機関銃から「15歳(子供が麻薬犯罪組織に入る年齢)の革命的武器」の頭文字AR15 に変わる。
スラムの子がコンピュータという人生の武器を手に入れて自分の人生を変える。これを実現させたのがストリートチルドレンも中流の子も子供はみんなコンピュータに関心があることに着目してスラムに学校を作れば職を得られる未来を実感した子が麻薬取引から抜け出せて人生を変えることができると信じた元コンピュータ技師のロドリーゴ・バッジオだ。
彼は94年コンピュータをスラムに寄付するキャンペーンを開始、95年ブラジル、サンタ・マルタのスラムに初めて作った学校を9ヶ月後には無償の労働と寄付で15校にまで増やす。
「初めはバカ呼ばわりされた。貧しい人に必要なのはコンピュータじゃなくて食料だとね。でも僕は人間には文化や技術が必要でコンピュータもそのひとつだと思った。スラムの子が学びたくて列を作ってるのを知りやっと人々の意識が変わりだした。技術的な世界から締め出されてる人たちにアクセスを与えなければ!ということがわかってきたんだよ」
今彼はブラジルで始まった運動をメキシコ、コロンビア、アジア、アフリカに広げようとしている。
Say No to Digital Apartheid !

▲参考資料:HOTWIRED JAPAN 11/16, 2000
●2000年2月,彼の組織CDI を支援して119台の中古のパソコンが日本からリオに運ばれた。(TAMA29 掲載 SPRING 2001)