MAINSTREAMING :

「右か左かといった党派的発想で経済政策を決める時代ではない。第三の道を行くべきだ」
発足して1年あまり、株価不安のインフレを引き起こすとの憶測が外れて経済は安定、内外共に評判は上々のイギリス、ニュー労働党を率いるトニー・ブレア首相。彼が積極的に進める女性の意見を行政に反映させようという運動、メインストリーミング(脇に置かれていたものを主流に取り込むこと)のせいでダークスーツの男の砦だったイギリス議会はぐーんと華やかになった。
北欧のレベルには及ばないものの女性下院議員の数は120人、ブレア政権には女性閣僚が5人いる。 サッチャリズムによって後世に極度の分極化社会の残骸(激しい貧富の差)を残すサッチャー時代には彼女以外に女性閣僚はひとりもいなかった。
もう一つブレアが積極的に取り組むのがアートの輸出。80年代に切り捨てた製造業に取って代わるものとしてイギリス人が得意とする文化的創造性を重要視する。 特に映画産業に注がれる公営宝くじ基金からの援助資金が今後2000年に向けた配給と脚本の充実を図る。
金融の砦シティも商売繁盛。ジェンダーを扱う女性アーティストが頑張り、「フル・モンティ」なんていう傑作映画もできちゃう波に乗ってるイギリスはファッションでも一目を置かれる一大勢力になった。

●参考資料:i-D nov. 1997 朝日新聞4/15 1998 (TAMA- 23 掲載、1998 hot )