MIR CORP :

オランダの民間企業ミールコープ社が2001年に開始予定のロシアの宇宙ステーション「ミール」への旅を計画する。
現金が喉から手が出るほど欲しいロシア政府と廃棄処分となり地球に落とされるのを指をくわえて見てる状態の宇宙ステーション、それに宇宙を民有化したい金持ち投資家の思惑がうまく合わさった結果がミールコープ社だった。
遺伝子というフロンティアの征服で勝利が華々しく宣伝されたばかりの民間セクターが今度は宇宙という最後のフロンティアの利用でもNASA や国際宇宙ステーションを押さえリードを奪う。
ただし民間の想像力が働くのは全体の40%、残りは依然としてミールの建設・運営を担当したロシアのRSC エネルギアが所有する。
2千万ドルの投資で最初の宇宙住人に名乗りを上げるのが元US 宇宙計画エンジニアのデニス・ティトー。他にもアップルのエアポート(日本ではエアマック)のバージョンアップ版を使った野心的なインターネット衛星ネットワークを提案しているスカイコープ社のCEO デニス・ウィンゴが関心を示すに違いない。
彼が構想する地球上どこからも高速インターネット接続ができる衛星ネットワークの試作品が打ち上げられれば、地上の90%をカヴァーする初の軌道ウエブサーバーになるはずだからだ。
一方、宇宙旅行の観光ビジネスでも世界中の22社がフライト提供に一番乗りを競っていて、ヒルトン・グループは月に建設するホテル「ルナ・ヒルトン」の詳細な計画をすでに公表している。
月面に降り立った2番目の人類、元宇宙飛行士バズ・オールドリンが
「週末を地球の軌道上を回って過ごしたり、月面ホテルの予約を取るといった機会がごく一般的になる」と宇宙旅行のキャンペーンで軽やかに言ってのけた。
まだ宇宙にいたことも宇宙旅行をしたこともないのにおみやげのT シャツが売れ残る。

▲参考資料:YAHOO NEWS 6/21, 2000 i-D THE GLOBAL ISSUE 1998(TAMA- 27 掲載、2000 HEAT)