CHINA'S LITERARY BAD BOY:

作家、王朔(Wang Shuo)は上品な本は書かない。彼の本に出てくるのは殺人犯にドラッグ常用者にセックス狂だ。
89年の作品「Playing for Thrills 」が97年初めて英訳出版されると欧米のあらゆる類の注目を手にする。Newsweek は彼を「中国文学界のバッドボーイ」と呼び The Washington Post は「幻滅した世代の不遜の代弁者」と呼んだ。
もちろん中国で称賛を表すサインを手にするのはこれほど簡単ではなかった。文学界のフーリガンは容易なターゲットだ。活発化する犯罪的行動、でたらめなセックス、ドラッグ使用、そしてなにより傷つける不遜な言行といった現代中国人の実生活のよくない面にばかり人の注意を集中させるせいで、文芸批評家、役人、知識人から一様にむち打たれた。
精神的な教化を賞揚する王朔はどちらかというと中国文学にありがちな英雄的モデルを避け、代わりに様々な犯罪者とアンチヒーローを登場させるせいで有名になっていた。 1958年南京生まれの王朔は文化大革命絶頂期に受けた教育・しつけが作品を具体化させて現代中国文学に向かうアプローチにものすごいインパクトをもたらしたと言う。
なんと言っても彼の文学界での名を不動のものにしたのは小説「In the Heat of the Sun 」を映画化した93年チアン・ウェン監督の「太陽の少年」(目から鱗のすばらしい作品、video 化されてます)だった。これで世界が彼に気付いて取り上げ出す。
映画は60年代後半から70年代初めの王朔の人生に焦点を当てる。彼は文化大革命という出来事を描くのにブラックユーモアを使い、それが中国文学の主流派を少なからず驚かせて彼のアプローチを議論の的にした。
映画はティーンエイジャー仲間の夢と、愛とセックスへの膨らむ興味を探求したもので、検閲官の事務所で一年以上も止められた。
「その日暮らしはいいと思う」「社会の腹黒い道徳的節操をあれこれ熟慮することなしに流れと同調するのはね」25冊目の小説を書き上げて王朔は退屈を理由にもうこれで終わりと宣言した。今、彼が集中するのは映画製作だ。

▲参考資料:上海フリーペイパーthat's april 2000(TAMA- 27 掲載、2000 HEAT )