CHICKENHAWKS:
特に個々の戦争体験によって熱狂の対象が鈍らないとき、その人の発育期の必要を満たすに十分な好機にもかかわらず経験不足が起こるときは断固として、他人が戦うとの条件で戦争に熱狂的な人のことをチキンホークス(本来は少年をあさるホモを意味する)と呼ぶ。
アメリカにはビル・オライリー、ラッシュ・リンボーを代表とする、賢者を自認する極右のお偉方(インドの賢者パンディットに倣う)という奇妙な職業がある。フォックスニュースチャンネルや保守系ラジオ局を活躍の場にする彼らは、メディアに登場するたびに、「イラクを爆撃しろ!」、「反戦を唱える奴はテロリストか共産主義者だ」、「大統領を批判する奴は恥を知れ!」、「民主党員はアルカイダの味方」などと繰り返す。そして、驚くほどの視聴者がいて、彼らの書く本は飛ぶように売れる。
彼らは報道済みの情報を歪曲し、他人を攻撃する際には実在しない発言を捏造する。また、「イラクとアルカイダは911テロの主犯」という誤解をアメリカ国民に信じこませることでは、ブッシュ政権といっしょに重要な役割を果たしている。
極右アイドルのアン・カルターもそうした扇動家の1人だ。従軍経験がない彼女は、ブッシュのベトナム逃れを批判するクリーランド議員を攻撃するのに、自分のコラムで下記のように書いた。(ヘリテージ財団の広報サイトTownhall.com12
Feb.2004 から抜粋)
「日常業務の非戦闘任務中、戦友とビールを飲んでるときに起きた事故で、クリーランド議員は両脚と片手を失った。クリーランドは地面にあった手榴弾を見つけ、それを拾い上げた。フォート・ディックス(米陸軍訓練基地)でも起こるようなことです。実際、クリーランドは州兵、あるいは彼があざ笑って呼ぶ「週末の勇士」として手榴弾を落としてもおかしくなかった。クリーランドの政治的経歴とブッシュ大統領への目下の尊大な言動にとっては、ヴェトナム戦争中にそういうことになったのはラッキーとしか言いようがない」
もちろん、カルターが言うクリーランド議員の事故内容は全くのデタラメだった。実際にはクリーランドは敵が包囲するベトナムの戦闘地域にヘリで降り立った際、他の兵士が落とした手榴弾を発見して、米軍の被害を防ぐため、自ら拾い上げた。
アメリカの保守派の論客や、いわゆるネオコン陣営はメディア上で盛んに戦争を賞賛し、反論するものには暴言を吐き、戦争反対者を「裏切り者」と呼ぶ。アン・カルターが得意とするのもこの類のことだ。人には「兵士を支援しろ」と言っておきながら、実際に戦争に従軍した兵士が反戦を主張した途端に平気でウソの人格攻撃を行い、負傷した兵士を中傷する。
現在も、ブッシュ陣営はヴェトナム戦争の退役軍人を金を出して集結させ、ジョン・ケリーの軍歴を侮辱させる選挙活動を行っている。第三者団体をでっちあげてケリーを攻撃させる周到さは、まさしく、ブッシュの頭脳・カール・ローブのやり方だった。それに口裏を合わせてラッシュ・リンボーやオライリー、アン・カルターがケリーへの人格攻撃を同じセリフで毎日行っている。
▼ブッシュ政権内には、"戦争は他人事"のチキンホークスがゴロゴロいる。どれほどかって?ほとんど全部だよ。彼らの戦争体験と発言を列記しておく。
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2004/08/post_9.html
ジョージ・W・ブッシュ大統領:
ベトナム逃れのためテキサス航空隊に親のコネで裏口入隊。成績が悪いために特別に個人講習を受けるが、コカイン所持がバレるのを恐れ脱走、給与のみを受け取る。
「私は戦時大統領だ!」
リチャード"ディック"チェイニー副大統領:
ベトナム徴兵拒否。本人いわく「他に優先事項があった」
「イラク戦争に反対票を入れでもしたら..... 」(ブッシュ周辺には不審な事故死や自殺が目立つのがなんとも不気味)
ドナルド・ラムズフェルド国防長官:
海軍飛行教官として三年勤務。戦場経験なし。
「アフガニスタンにはいい標的がないから、イラクに爆弾を落とせ」
ポール・ウォルフォウィッツ国防副長官:
軍隊経験なし。
「イラク国民は囚人虐待事件をあまり気にしていない」
ジョン・アシュクロフト司法長官:
軍隊経験なし。
フロリダ州知事ジェブ・ブッシュ:
軍隊経験なし。
カール・ローブ大統領上級顧問:
ベトナム徴兵拒否。
ロナルド・レーガン元大統領(故人):
第二次大戦中、入隊するが視力障害のため兵役免除。代わりに陸軍のプロパガンダ映画に出演。「爆撃隊にいた」と嘘をついたり、キューブリックの映画「博士の異常な愛情」に憧れて、大統領就任時に「WAR
ROOMへ案内してくれ」と言うなど、現実と映画の区別がつかなかった。
コリン・パウエル国務長官:
ブロンクス育ちのジャマイカ移民。軍隊経験30年以上、ベトナム、朝鮮戦争に従軍。
「金持ちの子息がヴェトナムを逃れるのは許せない」と自伝で告白。
下院院内総務トム・ディレイ議員:
ベトナム徴兵拒否。
「貧乏な少数民族の若者が金を稼ぐために軍隊を溢れさせたので、私のような愛国者が入隊することはできなかった」
極右パーソナリティ、ラッシュ・リンボー:
軍隊経験なし。
(アブグレイブ刑務所虐待事件について)「オレは連中がふざけていただけだといってるんだ。息抜きしただけさ」
極右パーソナリティ、ビル・オライリー:
軍隊経験なし。
「もうイスラム世界に干渉するのは止めにしよう。私たちにできるのは、連中を爆撃して徹底的に痛めつけることだ」
極右パーソナリティ、ショーン・ハニティ:
軍隊経験なし。
「ジョージ・ブッシュの再選を神に祈りましょう」
極右パーソナリティ、マイケル・サベージ:
軍隊経験なし。
「アメリカ国民の大部分はブッシュ大統領にアラブ世界に核爆弾を落として欲しいと願ってる。(中略)イラク戦争を、対日戦争と同じようにして終わらせてやりたいんだ」
カリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネガー:
1965年にオーストリア陸軍入隊。脱走してボディビルディング大会に出場。優勝トロフィーを持って陸軍に戻りそのまま刑務所へ。軍事訓練を免除されボディビルダーの道に進む。戦場経験なし。
「どこかの国で独裁者になるか、イエスのような救世主になることを夢見ていた」
▲The New Hampshire Gazette 17 August 2004
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