READY.GOV:

アメリカ政府の「報復テロ対策マニュアル」がパロディサイトに油を注いでいる。見れば分かる通り、あまりのお粗末ぶりが格好の餌食になっていた。
2月、イラク侵攻後に予想される報復テロに備えるためアメリカ政府は国民向けのサイト「Ready.gov 」を開設した。国土安全保障省が作成したものでどんな状況下でも生き残るための対策が旅客機の座席前に備えつけられた非常事態マニュアルによく似た絵入りで解説されている。たとえば、「化学兵器の攻撃の徴候があったら、直ちに逃げよ」とあって歩いて待避する人の絵がついている。「服に火がついたら、走るな」というのもある。もちろんこれはパロディサイトなどではなかった。
脅威レベルが最高の「レッドコード」に該当するパロディサイトはこうだ。十代のアダム・ハレットが立ち上げた「合衆国お笑い省」は政府の陳腐な放射性物質の防護壁の絵についたキャプションを「放射性物質から身を守るには厚さ3センチのベニヤ板で十分」と書き換えてこき下ろす。このサイトにはわずか数日で15万件のアクセスがあった。 カリフォルニア大を卒業したばかりのライアン・ジャラムスは政府のサイトがテロに怯える国民を安心させるために作られたと知って仰天する。彼の「TerrorReady.net 」はイギリスの風刺作家ジョナサン・スウィフト的なパロディを目指す。たとえば「ダクトテープとビニールシートの使い方」では、「ビニールシートで家族の遺体をくるみ、ダクトテープで止める」そして当局が引き取りに来るまで地下室に置くようにアドヴァイスしている(シートにくるまった遺体を地下室に落とす絵がついている)。サイトには開設から2ヶ月で8万2千件のアクセスがあった。 それにまたパロディウエアを売り出すサイトも登場。だいたいが政府のサイトの絵にその脳のなさをおちょくるキャプションがついたものだ。「Nukular 」や「Going to hell in a hand basket 」がある。

▲参考資料:WIRED NEWS 3/20 2003