IRAQBODYCOUNT:

一日にサイトを訪れる人の数は平均10万人。ボストングローブ紙やAP 通信など、ニュースメディアもそこの数字を引用する。アメリカの攻撃で死亡したイラクの民間人の数を複数のメディア報道から集計するサイト、「イラクボディカウント」には5月15日までの犠牲者の数「最小4065人から最大5223人」と表示されている。(不必要に被害を拡大させるクラスター爆弾で殺された市民の数は?ペンタゴンの発表は1人、Iraq Body Countでは少なくとも200人)
1月に開設されたサイトは英国キール大学心理学教授ジョン・スロボダとハミット・ダーダガンを筆頭にほとんどがアメリカとイギリスの学者とミュージシャン16人によって運営されている。二人がこれを始めたきっかけは米軍がアフガニスタンを攻撃したとき、民間人の犠牲者をメディアがほとんど報道しないのに業を煮やしたニューハンプシャー大学教授マーク・ヘロルドが考案したネットを使った集計方法に触発されたせいだった。そのヘロルド教授も顧問としてこのプロジェクトに関わっている。
サイトではイギリスBBC 、ニューヨークタイムズ紙、フォックスニュースといった多数の主要メディアの報道を分析して民間人の死者を集計する。「数字自体に政治的意味はなく、ただ事実を反映しているにすぎない。私たちは死者の数を数えているのでなく、報道された死者の数を数えている」とスロボダ教授は言う。
このサイトはデータの収集方法とそれを広く知らせることでインターネットの新たな使い方を提示している。「米軍以外の死者の数は追跡していないし、その手段も持ち合わせない」と述べた国防省もメディアも、イラク政府、あるいは赤十字のような人道組織も、この戦争がいかにイラクの民間人の命を犠牲にしているか数字で把握していない今、このサイトが他に類のない有意義なサーヴィスを私たちに提供していることになる。

▲参考資料:iraqbodycount.net (病院、市場など犠牲者の出た場所と何によって命を奪われたか具体的なデータも明記されている)WIRED NEWS 3/28 2003