ORGANIC INDUSTRY :

電気掃除機は手で拾って捨てる場合の約2千万倍のエネルギーを使う。それだけのエネルギーをかける必要があるだろうか?それに発展途上国が先進国並にエネルギー消費を始めたら世界の環境はどうなるのだろう?
こんな疑問にブチあたり電気と化学を使わない「非電化製品」を考案している人がいる。大成功のイオン式空気清浄機「クリアベール」を開発した発明家、藤村靖之は晴れた夜に地表から空に熱が放出される放射冷却の原理を使った、夏の日中でも屋外の北側に設置した庫内の温度が10度以下という冷蔵庫や同じ原理のエアコン、除湿器を創り出す。
発明の権利を無償で譲る代わりに環境NGO の手で電化が進む中南米やアジアで普及が進められるのが願いの彼は快適さに慣れた日本での普及には消極的だった。そこへ「有機野菜も最初は普及しなかった。電気消費量の多い日本でこそ普及させたい」と考える途上国の経済的自立を支援するフェアトレード会社を運営する中村隆市が加わって共同購入の応援団を募る「有機工業」運動が始まった。今年春から実生活での体験使用が試みられている。

▲参考資料:朝日新聞1/7,2002
●TAMA-32掲載、FALL 2002