RETRO-VIRUS :

いつもやむにやまれず訪れる街ロンドンでの冒険から帰った映画{キッズ}の女の子、それとも{トゥリーズ・ラウンジ}{ガンモ}の女優クロエ・セヴィーニは次回作スタジオ54の回顧映画{The Last Days Of Disco}も含めレトロブームにはどうにも不満らしい。
昨年ロンドンでは2つのウォーホルにまつわる展覧会が話題だった。
「永久に記憶に残り、完全に大衆的なジーンズのようなものを発明できればよかった」と語ったウォーホルとファッションの接点の紹介と、10年前ウォーホルの死の直後マンハッタンはイーストサイドにある彼のアパートに8日間自由に入り撮影を許されたデヴィッド・ギャンブルの写真の展示だ。
それにしてもウォーホルの私的生活空間の覗き趣味的ツアーがいまだに魅力的なのはなぜなのか?
サザビーズのオークションで1,450万ドル集めた超高級品や致命傷に近かった腹を撃たれた事件後に始まる死後の世界への妄念を表す古代エジプトの偶像やカトリックの偶像はともかく魅了されるのは開かれたベーシックなバスルームのキャビネットにぎっしり詰まった錠剤や水薬の数々、そして優位を占める彼の重大な関心事、若返りのスキンクリームにマウスウオッシュのボトルだ。
私たちは本物のアンディ・ウォーホルを二度と知りようがないがこの展覧会はその突出部分をこっそり失敬させてくれる。ウォーホリアンは不滅!

◆参考資料:i-D 1998(TAMA- 24 掲載、1999 SIZZLE )