EIA :

環境調査機関 Enviromental Investigation Agency とは、利益のためにこの地球を破壊しているやつらに情報を武器に抵抗する環境版 CIA 、グリーン・スパイのこと。 カーチェイス、脅迫、逃げ口上、殺人といった世界で働くメンバーは目下、象を救おうと闘っていた。ただし、彼らが殺されないとしての話だったが。
1979年には150万頭のアフリカ象がいたのに、10年後には毎週2千頭の割合で死んでる計算で減っていた。コンゴ政府は「絶滅は避けられなくなった」と公式発表する。象の寿命は人間の寿命に似ていたが、多くの家族グループが十代の若い象に先導されていて若すぎて子供が作れないという現実に直面している。80年代に死亡した100万頭以上の象が自然の居住環境が消滅したときに壊滅する進化の犠牲者だとする説がある。さらに、象牙売買が制限されているにもかかわらず、主にその象牙が目的で、宝石や装飾品や日本に密輸される「はんこ」のために殺されるという現実があった。 アフリカにいる野生動物の活動家たちは象牙の密猟が殺戮として咎められることなのを体験としてよく知っている。そして政府の役人の幾人かは象牙が中東経由で密輸されてることに気づいている。しかし、世界野生動物基金のようなデカい組織は象牙売買の全面禁止を要求したがらない。
EIA が加わるとどうなるか。EIA は象牙がドバイまで密輸される海のルートを暴露して、香港、シンガポール、台湾まで空輸される前に歯医者のドリルで粗雑に削られる工場の様子をフィルムに収める。しばしば象牙売買を嫌う地元住民に手伝ってもらいながら、偽装して主役のギャンブラーを追いつめ、空中輸送の荷札や証拠写真や、どうやって取締りを出し抜き、認可証を書き換え、役人を買収したか披露する会話のテープを手に入れる。 ドバイの秘密工場を撮影するときには、ドキュメンタリーを作る映画会社のふりをして隣の工作機械工場に潜り込み、盗まれた認可証を使って毎年2千200万ポンドもの価値がある密猟された象牙がドバイを通過していたことを立証した。
ケニアでは秘密警察に尾行され、シンガポールでは政府の役人に脅迫されてホテルの部屋に盗聴マイクを仕掛けられるが、1992年までに全世界で象牙を禁止するのを強行に通すことに成功した。
1984年にデイヴ・カレイが他の2人のグリンピース活動家と設立した組織のロンドンの北にある狭くて雑然としたオフィスは荒らされ、アフリカ南部から執拗な脅しの警告を受けていた。彼らは旅に出る前に戻らない場合のことを考えて報道機関に渡す写真を撮影した。EIA のメンバーの仕事は生死の問題だが、私たちすべての人間にとってもまたそうだっだ。
EIA が暴いた違法行為にはうんざりする。賄賂をとる保護論者に大臣、国境を越える密輸を助ける専門医に宣教師。デイヴ・カレイは金が絡む汚職には驚きはしないと悟っている。象牙キャンペーンで彼を怒らせたのはアフリカは汚職だらけだから象を救えやしないと大勢の人から言われたことだ。
ほとんどのアフリカ人は金融や商業の中心地でやってることが信じられないことだと考える。デイヴ・カレイがスイスにいるとき同行していたタンザニア人が言ったこと。「私たちアフリカ人を食い物にしようと西側の資本が私たちの国に入ってこれるのはここにある秘密の銀行預金口座をあてにしてるからだ。そして、その金をどこに投資してるのか誰も知りたがらない」
すべてが、西側諸国で社会を組み立てているやり方で処理されていた。第三世界を債務でいかにコントロールするか。こういう開発というか搾取を繰り返している国々が最終的には荒廃した環境を残してきている。そして今も私たちが進めてきた方向と同じ流れに第三世界を進めようとしている。
EIA はアフリカ人に象を殺すなと頼んでいるのではない。それを買う人々に象牙を買うのをやめるよう頼んでいる。

▲EIA の成果:ドイツの航空会社ルフトハンザは西側にペットとして売られる野生の鳥の輸送に熱中していた(1990年11月)。
セネガルのフランス領事は鳥と、サセックスの農場に運ばれて研究室に実験用として売られる猿(ヒヒ)を売っていた。その過程を撮影したフィルムをBBC ニュースが流して、その男はもはや領事ではなくなっている。
●TAMA- 6 掲載、HOT 1991