ETHNIC CLEANSING :

民族浄化。このサディスティックな暴力行為はナチのユダヤ人大虐殺を思い起こさせる。
ボスニア・ヘルツェゴビナでの組織的な拷問と殺戮に加え、またひとつセルビア人の残虐行為が明らかにされる。集団レイプ。EC の調査団がまとめた報告書によれば犠牲になったのは6歳、7歳の少女を含めた2〜3万人(5万人とも言われる)のモスリムの女性で、女性をなぶりものにして殺すためのレイプ収容所があった。
セルビア人は彼女たちを妊娠させるためにレイプして、セルビア人の子供を産むまで拘束した。レイプは脅迫と追放と殺戮によって父祖伝来の地に住むイスラム教徒のモスリムを根絶しようとする民族浄化の柱となる手段。モスリム勢力はこの犯罪が戦争という状況下で起きた偶発的結果などではなく、民族浄化を進めるための組織的犯行と主張して、国際社会が歴史上かつてない「戦争犯罪」として裁くよう求めている。
レイプの犠牲者や目撃者、捕虜となったセルビア人兵士らの証言からは、現地の指揮官が部下をそそのかして、または命令して、レイプさせるという行動パターンがみられる。 国連人権委員会で報告する元ポーランドの首相マゾビエツキは、「軍事的そして政治的に権力を持つ人々が暴行を止めようとした形跡は見られない」と紛争勢力の指導者の責任を糾弾した。
レイプされて妊娠した女性はその恐怖の体験を片時も忘れることができない。民族浄化の落とし子である子供たちはどうなるのか? EC から900キロしか離れていないところでこんなことが起きていた。

●TAMA- 12掲載、CHILL 1993