JOHAN VAN DER KEUKEN :

カトマンズ、ブルキナファソ、パリ、リオ、パレスチナ、チベット、サラエヴォ、ペルー、アムステルダム、マリと40年間に短編を含む50本あまりの映画を撮影したオランダ人映像作家(写真家、批評家、作家)ヨハン・ファン・デル・コイケンが74年の3部作<北- 南>で言っている。
「この私もカメルーンのあの黒人小学生だったかもしれない。コロンバスのゲットーで暮らすあの疲れ果て老け込んだ女性だったかもしれない。アンデスで未来なく生きるインディオのひとりとしてコカやアルコールに明け暮れていたかもしれない。リマ近くの砂漠にあるスラム街ビジャ・エルサルバドルの住人だったかもしれない。遠くの地に住む他の誰より見知らぬ他人のように感じたとはいえ奴隷のようなホワイトカラーだったかもしれない」
「私たちは世界の中にいる。他人と同じ流れの中で生きている。彼らを見ず、声を聞かないことなどどうしてできようか」

▲参考資料:Le Monde diplomatique Nov.2001 カイエ・デュ・シネマ1998
●TAMA-31 掲載、2002