今日、全米でマイケル・ムーアのドキュメンタリー映画「華氏911」
が公開される。映画には爆撃を受ける側の無惨なイラク人の姿、「残酷
なシーン」があるとして、17歳以下に大人同伴を義務づけるR指定が
ついた。「イラク派兵が目前に迫る15歳、16歳にはこの映画を見る
権利がある」と主張して監督・配給会社側が争ったが、却下された。
▼マイケル・ムーアとアル・フランケンはゲッベルス、ハリウッドのセ
レブは忠実なナチ支持者▼
MEDIA MATTERS for America 14 June 2004
右翼のラジオ司会者マイケル・サヴェージが進歩的な投資家で慈善家の
ジョージ・ソロスをヒットラーの宣伝相ゲッベルスにたとえて一週間後
今度はTVとラジオの司会者でアメリカの保守層に人気のビル・オライ
リーが、作家でドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーアとラジオ
司会者のアル・フランケン両氏をゲッベルスにたとえた。またムーアの
新作映画「華氏911」のロスのプレミア上映に出席したハリウッドの
セレブの一団もナチの忠実な支持者になぞらえた。
<インターネット放送でリスナーが急増中とはいえ、反ブッシュ放送局
はどこも財政難だ。リベラル系ラジオ局「 AirAmeicaRadio 」の看板
トーク番組「O'Franken Factor 」のホストをノーギャラで務めている
のが、ここで中傷されるアル・フランケンだ。>
6月10日放送のビル・オライリーの「レディオファクター」から:
O'REILLY :「長く言い続ければウソも本当になる」。ナチスドイツの
宣伝相、ゲッベルスの大変有名な引用文だ。よろしいか?「長く言い続
ければウソも本当になる」
フランケンやマイケル・ムーアやその手の連中がしているのがこれだ。
彼らはまさしく次々にごまかすのだ。
ニューヨークの年齢25歳から54歳のリスナー間の昼間の視聴率は、
アル・フランケンの3時間のトーク番組「The O'Franken Factor」を
含むWLIB- AM局のほうが、保守層が欠かさず聞くと言われる3時間の
「ラッシュリンボー・ショー」を含むWABC- AM より高いのをニュー
ヨークタイムズが5月31日に報じた。
オライリーは「華氏911」のプレミアに出席したハリウッドのセレブ
をゲッベルスの忠実な支持者に相当すると中傷して番組を終えた。
O'REILLY :では、昨夜の「華氏911」の上映会に出たのは誰か?よ
ろしいか?出かけた有名人はこの人たち。ポーランドがドイツ帝国を侵
略したとゲッベルスが納得させるのを見に出かけるような連中だ。同じ
ことだ、ついでながら。プロパガンダはプロパガンダさ。オーケー?
ビリー・クリスタル、マーチン・シーン、レオナルド・ディカプリオ、
エレン・デジュネレ、デイヴィッド・ドゥカヴニー、シャロン・ストー
ン、メグ・ライアン、アシュトン・カッシャー、デミ・ムーア、ノーマ
ン・レア、ロブ・ライナー、ジョディ・フォスター、クリス・ロック、
ラリー・デヴィッド、ジャック・ブラック、マシュー・ペリー、ダイア
ン・レイン。<他にも、ドリュー・バリモア、ヴィゴ・モーテンセン、
ウェス・アンダーソン、ケヴィン・スミス、ローレンス・ベンダー、エ
ド・ズウィック、スパイク・ジョーンズ、ロザンナ・アークエット、テ
ィア・レオーニ、ジョン・カーナハン、ブレット・ラトナー、マリサ・
トメイ、マーク・ウォールバーグ、トム・ハイデン(上院議員)、アリ
アーナ・ハフィントン(州知事選候補)が出席している>。
▼「華氏911」全米上映を妨害する大規模キャンペーン▼
Alternative Press Review 13 June 2004
マイケル・ムーアの「華氏911」の全米公開を妨害する大規模な運動
がアメリカ国内で始まっていた。
保守系団体サイト「 Move America Forward」が呼びかける「STOP
MICHAEL MOORE」キャンペーンがそれだ。
この運動の中心は「華氏911」上映予定の映画館に直接抗議すること
にあるようで、連絡先がリストアップされた全米の上映映画館オーナー
数人のところにはすでに「死刑宣告」の電話メッセージが届いている。
「華氏911上映妨害キャンペーン」に協賛しているのがフロリダ州を
拠点にする保守系ニュースサイト「NewsMax.com」。ニュースメディ
ア企業が、堂々と言論封鎖活動を宣言するというのが、いまのアメリカ
では珍しいことではなくなっている。ちなみに、NewsMax 社の調査に
よると、このニュースサイトの読者の86%が、アメリカがサポートす
べき国としてイスラエルを挙げていた。
また、ドメイン所有者のDNS登録からこのサイトを支援する別の企業も
判明している。カリフォルニア州サクラメントのPR企業、ルッソ・マー
シュ&ロジャース社である。
ルッソ・マーシュ&ロジャースは共和党をクライアントとするPR企業、
代表のサル・ルッソは、元カリフォルニア州知事グレイ・デイビスのリ
コール運動にアドバイザーとして参加している。この情報が流れた直後
に、Move America Forward のドメイン情報はハワード・カルージア
ンという個人名義・サイト主宰者に速やかに変更された。カルージアン
もまた、カリフォルニア州知事リコール運動に関わった人物で、共和党
から議員に立候補している。
先週イラクを訪問した際、アメリカのウォルフォウィッツ国防副長官は
囚人虐待事件がイラク国民にとって大した問題になっていないことに深
く感銘を受けたそうだ。彼は米下院軍事委員会でこう説明した。
「イラク国民は虐待事件より、どうやって暴徒を鎮圧するかという課題
をはるかに重要視している。イラク国民は優先事項を心得ているのだ」
(AP通信22 June 2004)
この人の頭はどうなってる!ブッシュ政権のイラクへの病的固執と「予
防」戦争というドクトリン、この両方の設計者であり、これを準備した
のがポール・ウォルフォウイッツなのである。なんとも食欲をそそられ
ない光景だ。彼がべっとり唾液でぬらしたくしで髪をなでつけるのを、
私たちは見物している。
▼オライリー:イラク人は原始人、また爆撃されたらいい!▼
Media Matters 19 June 2004
6月19日放送のビル・オライリーの「レディオ・ファクター」から:
イラク暫定当局が行った最新の調査で、米軍を解放軍として歓迎するイ
ラク国民はわずか2%、55%が駐留米軍の早期撤退を願っている結果
に大いに機嫌を損ねたオライリー。
O'REILLY :見てみなさいな、米軍が彼らのために尽くしていると感じ
るのが人口の2%ってときに、もういい、忘れちまえ、勝つつもりがな
いんだ。勝つつもりがね。それに私はほとんどのイラク人にまったく敬
意など持たない。彼らには敬意を払わない。彼らは有史前の群れだと考
える、そう、弁解がましいがね。
確かに、彼らは脅迫された、彼らは一度も自由を知らない、それだけの
ことだ。弁解がましいのはわかる。あそこに民主主義ってものを制定し
ようと試みて死んでるアメリカ人がいるときに、それに感謝するイラク
人が2%なんだから、彼らを敬う必要はない。そろそろそれに気づかせ
てやっていいんじないか。
それにこれが、二度と私たちがモスリム世界に介入できないという偉い
説教をしてくれてる。私たちにできるのはバルカン半島でやったように
彼らをこてんぱんにやっつけることだ。だが、もう地上部隊も、身も心
も打ち込むのも、うまくいかないだろうよ。彼らはまさしく原始人だ。
私の推測では、オライリーは「衝撃と畏怖」作戦と、最初の誘因だった
ファルージャ包囲を見落としたのだろう。
待てよ。彼はファルージャにもっと爆弾を落とせと望んでもいた:
「米軍にはファルージャで問題が続行する。どうして米軍はやっちまえ
と、そこを平らにしちまわないのかね?」
この「解放」の意味は、もう侵略を正当化するものではないのか?侵略
はなんて呼ばれた?そうだ、イラク自由作戦だ。恩知らずの原始人野郎
どもをもみくしゃにしろ。まさしくこてんぱんにぶちのめせ。