■クレムリン酷評家がイングーシ共和国で撃たれる■ BBC NEWS

31 August 2008

イングーシ共和国(ロシア南部連邦管区)の不安定な地区で、ロシア当

局に難癖をつけるインターネットサイトのオーナーが、警察に拘留中に

撃たれて死んでいる。

ウェブサイト「 ingushetiya.ru」を運営するマゴメド・エブロエフは、

管区の政権について、ずけずけと意見を述べる酷評家だった。

中心の町ナズラニのエアポートに到着した後、彼が警察によって拘禁さ

れたと、エブロエフのサイトの投稿にはある。

ウェブサイトのオーナーは病院に搬送されたが傷のせいで死亡した。

装甲車両に乗せられたとき、エブロエフが警官の銃を奪おうとしたと、

地元警察が語ったのを報道は引用する。銃が発射されてエブロエフの頭

にあたったと。

・すさまじい批判

エブロエフは、元 KGBの将軍だったイングーシの大統領ムラート・ジャ

ジコフの「心配のもと」だった。

いまや隣国チェチェンよりもずっと騒然とした、ほとんどがイスラム教

徒の人口50万人の貧乏になった管区、イングーシでのロシア治安部隊

の残忍な行為とやらについて、彼のウェブサイトは報じていた。

ジャジコフ大統領はエブロエフと同じ便に搭乗していた。

イングーシと国境を接するチェチェンは、あふれるほどの不穏に苦しん

できている。

警察と兵士に対する小規模のいつもの待ち伏せで、低いレベルの反乱行

為がある。

2008年6月、ヒューマンライツウォッチ( HRW)は、広範囲の人権

違反を犯しているとして、イングーシに駐留するロシア治安部隊を非難

した。

数々の勝手な拘留、失踪、拷問や通常の法手続を踏んでない違法な処刑

行為を詳細に記録してきていると HRWは言った。

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■ロシア政府批判のウェブサイトオーナー、殺害される■

ウォールストリートジャーナル紙   02 September 2008

グルジアと国境を接するイングーシ共和国で反体制サイトを運営する男

性が警察に拘束され、「事故により」頭をぶち抜かれたーー。

ロシアの警察は8月31日、緊張状態にあるイングーシ共和国のコーカ

サス地方で、政府に批判的なニュースサイトを運営する男性を拘束し、

銃殺した。

ニュースサイト「 ingushetiya.ru」のオーナーであるマゴメド・エブロ

エフの死により、チェチェン共和国と並んでロシア政府批判派にとって

避難所のこの地方の緊張は確実に高まる。ここ数週間、ロシア政府は、

自国の軍隊がグルジア共和国に駐留中に敵対勢力が紛争を起こすことを

恐れて、イングーシの警備を強化していた。

イングーシ共和国はグルジアおよび北オセチアと国境を接している。

モスクワ当局は、31日エブロエフは警察による身柄の拘束中に「事故」

で頭を撃たれたこと、この事故については調査中であることを明らかに

する声明を発表した。調査委員会の広報担当ウラジミール・マーキンは、

エブロエフの死亡状況を解明する調査を開始したと言い、詳細は語らな

かった。この調査委員会はロシア検事総長直属となっている。

エブロエフはイングーシ大統領を厳しく批判してきた。大統領は元ロシ

ア連邦保安局の職員で、ウラジミール・プーチン首相の支援を受けてい

る。エブロエフはイングーシ共和国と連邦の捜査官が住民を虐待し、政

敵を誘拐・暗殺していると非難してきた。6月、彼のサイトは「過激な」

記述を広めた罪で閉鎖を命じられたが、最近、違う名称で再登場した。

エブロエフは先週末、仕事でモスクワに滞在し、31日朝イングーシの

ナズラニで飛行機から降りたところを拘束された。彼はロシア内務省の

武装ジープに連れ去られ、そのすぐ後で頭に銃弾が貫通した状態で近く

の病院に運び込まれたと、空港に彼を迎えに行った友人のモガメド・ハ

ズビエフは語った。

「彼がスーツケースとパソコンを持って、おとなしくジープに乗り込む

ところを見た。」とハズビエフは言った。

ハズビエフは自分のクルマに飛び乗ってジープの後を追いかけようとし

たが、複数の内務省のクルマに妨害されたと言っている。エブロエフを

捜してナズラニを走り回っていると、地元病院から彼がいるとの電話を

受けた。ハズビエフによると、エブロエフが警察に拘束されていたのは

長くて20分だということだ。

不審な死を遂げたロシアのジャーナリストの長いリストにモガメド・エ

ブロエフは加わることとなった。2006年10月モスクワの自宅アパ

ートで撃たれたアンナ・ポリトコフスカヤの死は、ロシアの独立系報道

機関が直面している危険を浮き彫りにした。ポリトコフスカヤは、政府

の腐敗を調査し暴露するモスクワに拠点を置く新聞、 Novaya Gazetaの

トップ記者だった。この新聞のジャーナリストが不審な情況で死んだの

は彼女で3人目だった。フォーブズ誌のロシア版編集者、ポール・クレ

ブニコフは2004年7月、モスクワの路上で銃撃された。

エブロエフは趣味でニュースサイトを始めた。当時彼はイングーシ検察

局に勤めており、個人のウェブサイトに記事を投稿していた。サイトは

たちまちイングーシで人気の情報源となった。他のメディアは厳しい政

府の監視下にあった。チェチェンはロシアと親ロシア政府の住民に制圧

されたが、イングーシは敵対する武装グループ間のひんぱんな攻撃と民

族闘争により、混乱が続いている。

エブロエフはよくフリーの寄稿者からの情報に基づいて銃撃戦、殺害、

逮捕の記事を書いており、4台のケータイ電話を持ち歩いて、そういっ

た情報をテキストメッセージで受信していた。

最近エブロエフは同僚に家族の安全が心配なのでロシア国外に送りだす

ことを考えていると話していた。

イングーシ内務省は31日、ロシアの通信社インターファックスに対し、

エブロエフはナズラニの家屋爆破に関する取り調べで拘束されたと語っ

た。インターファックスは、警察署に向かう車中で民兵のマシンガンを

奪おうとしてもみあいになり、彼は頭を撃たれたと報じていた。

エブロエフの友人や同僚は、そんなのはまったくありえないシナリオだ

としている。「彼はほんとうに物静かな男で、そもそも政治活動家ではな

い。」とフィンランドとロシアの市民フォーラムを主催するハイディ・ホ

ータラは言った。「彼は自分のことを反体制派とは思っていなかったが、

義務として、できる限り真実を伝えようとしているだけと話していた。」

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■ロシア:イングーシでの「ダーティウォー」戦略をやめよ■

Human Rights News 25 June 2008

チェチェン流の対ゲリラ活動での殺し、拷問、失踪

チェチェン共和国の武力衝突が北コーカサス地方全域、特にイングーシ

共和国に、人権侵害と不安定を蔓延させてきている。ヒューマンライツ

ウォッチ( HRW)が本日(6月25日)発表した報告書で伝えた。HRW

は、事態がチェチェンでの戦争の特色となった唖然とさせる侵害に身を

落とさないのを確実にするため、ロシアの対ゲリラ活動のテクニックを

改め、イングーシで犯した違反の刑罰のがれに取り組むようロシア政府

に迫った。

120ページの報告書、「あたかも空から降ってきたような!イングーシ

での対ゲリラ活動と権利の侵害、激しい刑罰のがれ」は、数々の勝手な

即決拘留、拷問や残忍なふるまい、非人間的か人を貶める扱い、強制失

踪、違法な処刑を含める人権侵害が対ゲリラ活動にかかわる治安部隊と

法の執行によって犯されたのを詳細に記録する。この報告書は2007

年と2008年はじめに講じられた処置を取り扱う。

「イングーシでの犯罪は、はるかに小規模ではあるが、10年以上もの

あいだチェチェンに災いをもたらした何千という強制失踪、殺人、拷問

の事例を再現している」と HRWのロシア調査員ターニャ・ロクシーナは

述べた。「ロシアの残虐な対ゲリラ活動の方針は地元住人を敵にまわして

いる。ゲリラ活動を終わらせるのにほど遠い、<ダーティウォー:汚い

戦争>戦法は、おそらくイングーシや北コーカサスの向こうの情況をい

っそう不安定にさせる。」

イングーシでここ数年、イングーシ政府を落選させる漠然とした予定表

や、この管区に駐留する連邦の治安部隊と軍隊の撤退、北コーカサス地

方のイスラム統治の拡大などを掲げる幾つかの民兵組織とロシアは戦っ

てきている。2007年初夏、反抗ゲリラが役人、法の執行人、治安職

員を攻撃して一般市民がはっきりと立ち上がった。この増加するゲリラ

活動の背景に対抗して、法の執行と治安部隊がゲリラ容疑者を誘拐のや

り方で拘留するのを実行してきている。誘拐された人たちは定期的に拷

問され、時々「失踪」する。最初のころのチェチェンで見られた腐敗し

た掃討作戦や、ねらい打ちの急襲のパターンに似ているイングーシでの

誘拐のやり方の拘留と人殺しは、「特殊作戦」を通してひんぱんに起こっ

た。常に顔を隠した武装人員が所定のエリアに到着する。彼らは作戦の

どんな説明も居住者に提供することなく、住居に押し入って、居住者を

殴り、彼らの財産を破壊した。

著しく当惑させられるのは、通常の法手続を踏んでない、よくある違法

な処刑である。 HRWの報告書はそういった8つの事例を詳細に記録する。

最も若い被害者、6歳のラヒーム・アムリエフは、ゲリラとやらが隠れ

ていると治安部隊が考えた両親の家の手入れで殺された。彼の死に関す

る調査は進行中だ。しかしながら、これは当局がゲリラ活動に関与と申

し立てることから排除する、彼の年齢によってのみ説明がつくまれな例

である。違法な処刑の大多数で、ゲリラ関連の告訴は死後に被害者に対

する告訴が行われて、彼らの殺しが調査されることは決してない。

イングーシでの人権侵害で治安職員と警察官に責任があることは軽んじ

られる。悪事をしでかす連中が完全に刑罰をのがれることや、管区の情

況は正常だと当局者が繰り返し言い張ることで、苦しむ地元居住者たち

は2007年と2008年はじめに幾つかの抗議大会を組織した。しか

しながらイングーシ当局は、その大会をゲリラを利するように行動する

「挑発」と呼ぶ。計画された大会を禁じたり暴力で解散させたり、メデ

ィアの報道を黙らせようとすることで、彼らは抗議を妨害するのに全力

を尽くしてきている。

独立した監視役を脅迫するための激しい作戦展開で、2007年11月

と2008年1月に計画された 2つの大会を監視しようとしたとき、16

人の内外の人権擁護者とジャーナリストは、治安部隊によって様々に脅

されて、誘拐され、ぶちのめされ、拘束され、イングーシから追い払わ

れた。

ロシアの国際的なパートナー、とりわけヨーロッパは、イングーシでの

人権違反を止めるようロシアをせっついて説得すべきだと HRWは言った。

彼らはまた、チェチェンで犯した点ではヨーロッパ人権裁判所が下した

裁定をロシアがまるまる履行するのを確実にすべきである。その判決は

チェチェンの被害者に正義をもたらすだけでなく、イングーシや、さら

に広く北コーカサス地方で犯される違反を防ぐのに助けになるステップ

でもあるのだ。

▲ http://hrw.org/english/docs/2008/06/24/russia19194.htm

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■イングーシの人権活動家に対する拘束と暴行の調査■

アムネスティ・インターナショナル 2008年7月25日

イングーシ共和国の人権擁護活動家であるズラブ・ツェチョーエフが今

日、恣意的に拘禁され暴行を受けた。

報道によると、朝6時にロシア連邦の法執行官と見られる武装した50

人ほどの男がイングーシ共和国のスンジェンスキー地区にあるトロイツ

カヤという村に住むズラブ・ツェチョーエフの家に、3台の軍用車両と

3台の小型トラック「ガゼル」で訪れた。家の門を開けたズラブ・ツェ

チョーエフは、自宅から強制的に連れ出される前に銃を突きつけられて

地面にひれ伏すよう命令され、その間、法執行官は家宅捜索を行った。

捜査は、伝えられるところによると、令状もなく独立した立会人もない

まま行われた。捜査の中で、ケータイ電話2機とコンピュータ1台が押

収された。その後、ロシア連邦当局者はズラブ・ツェチョーエフを軍用

車両に乗せ、行き先を家族に告げないまま彼を連れ去った。

ズラブ・ツェチョーエフの家族は、検察当局と内務省に対し、彼が何者

によって拘禁され、どこにいるかを問い合わせたが、情報はまったく提

供されなかった。

数時間後、通行人から、イングーシ共和国の首都マガス近郊、エカジェ

ヴォ村近くの道路脇で、ひどく暴行を受けたズラブ・ツェチョーエフを

見つけたという通報があった。押収されたケータイとコンピュータがそ

のまま置かれていた。ツェチョーエフには多数の傷と打撲があり、その

後病院に運ばれた。

ズラブ・ツェチョーエフはマガスにあるロシア連邦保安局( FSB)の建

物に連れて行かれ、その地下室で拘禁された疑いがある。伝えられると

ころでは、彼は地下室で法執行官から殴られ、虐待を受けた。その間に

法執行官たちは彼が働いている MASHRというNGOについて質問した。

また、イングーシで起きた殺人や誘拐への関与で疑惑がある法執行官の

名簿やその他詳細を反体制派のウェブサイト「 Ingushetiya.ru」に渡し

たことに関与していると彼を非難した。その名簿は最近になってウェブ

上に掲載された。ツェチョーエフは関与を否定した。法執行官たちは彼

のコンピュータとケータイを調べたと考えられている。

ズラブ・ツェチョーエフの拘禁が広く知れわたることになり、彼は釈放

された。だが、釈放にあたり、もしツェチョーエフが拘禁されたと申し

立てれば、そして MASHRの仕事を辞めなければ、9月までにイングー

シを出ろ、さもなければ彼と家族は殺されると脅されたと伝えられる。

・事件の背景

ツェチョーエフが仕事する NGO組織MASHRは、イングーシ共和国で起

きている強制失踪や誘拐事件など、深刻な人権侵害に関する報告書を発

表し、キャンペーンを展開している。ズラブ・ツェチョーエフは同団体

のウェブサイトの編集を担当している。

2006年から MASHRは、その活動について税務当局、連邦登録局、

共和国検察当局、警察から多数の査察を受けている。 MASHRの代表の

マゴメド・ムツォルゴフは彼自身の人権擁護活動を理由に当局から脅迫

された。ムツォルゴフは自分と事務所が監視下に置かれていると考えて

いる。

イングーシ共和国では、他の人権擁護活動家も標的にされている。11

月、人権センター「メモリアル」の代表のオレグ・オルロフと3人の REN

TVのジャーナリストが誘拐され、暴行を受け、脅迫された後に野原に放

り出されたが、これはその日午後に予定されていた野党のデモを報道す

るのを妨害する意図があったと思われる。

ズラブ・ツェチョーエフは、2004年3月11日マルゴベック地区の

ヴェルフニエ・アチャルキ村で誘拐され、強制失踪させられた兄のテメ

ルラン・ツェチョーエフについて、欧州人権裁判所に申し立てた。テメ

ルラン・ツェチョーエフは次席検事ラシード・オズドエフと同じクルマ

で移動していた際に、イングーシのロシア連邦保安局関係者と見られる

複数の男にヴェルフニエ・アチャルキ村で拘束された。 2人の消息はいま

だ不明のままである。

▲ www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=508


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